土地の課税地目については見落としもある。目と足での確認が大切。

【事例】

土地の時価調査。課税地目を見直せる価値が浮上・・・

C市内に本社があるD株式会社。市内を中心に多くの土地をお持ちです。そのうち、市内の郊外にある一筆の土地の時価が知りたい、ということで鑑定評価の依頼を頂きました。
一筆といっても3,000m2以上もある土地で、平地、山林、池、敷地内道路等々として利用されていましたが、各部分の内訳、面積等は20年以上前に、当時のご担当者が市当局に、固定資産税の課税資料として申告した数字しかありませんでした。

これでは鑑定評価ができませんので、入手した航空写真、地図を手に、現地をD社のご担当者と一緒に2~3日かけて見て歩きました。
机上概測を経て各部分の面積等を算出し、鑑定評価の作業は終了したのですが、作業過程でD社様より提示された内訳と、当方で概測した内訳が随分と異なることに気がつきました。具体的には、提示資料よりも私の概測の方が平地が少なく、山林が多いことがわかったのです。

鑑定評価書を提出する際に、現在の課税地目を見直してもらうよう当局と交渉する価値は十分にありますよ、とアドバイスしたのですが、当局も私が鑑定評価の資料として作成した区分け地図の正確性を認め、見直ししてくれたようです。結果、固定資産税が年間で数十万円低くなったと、後日ご担当者よりお礼の電話がありました。

【解説】

本来は別の目的のために行った鑑定評価の派生的な効果として固定資産税が軽くなったというのは珍しい事例です。
固定資産課税の基礎となる標準地評価は、不動産鑑定士も関与していますのでその価格水準は正確ですが、全市に広がる個々の土地の課税地目については、時として見落としもあるようです。
専門職業家としては当然のことですが、提示された資料を鵜呑みにせず、自分の目と足で確認した結果によるものです。