早いもので不動産鑑定の仕事を始めて35年、不動産鑑定士になって29年、京都のこの地に独立開業して22年になり、業界の若手と言われた頃からいつの間にか中堅(または古株?)と呼ばれるようになりました。
この間、不動産を取り巻く法的、経済的な環境は大きく変化しましたが、同時に我々不動産鑑定士を取り巻く環境も劇的に変化しました。仕事量の減少、資格者の増加、官公庁発注案件の競争入札の一般化等による同業者間競争の激化が主なものに挙げられますが、一番大きいのは我々に対する社会の眼の厳しさではないでしょうか。
不動産鑑定士という資格は、他の士業と比較して非常に恵まれたものであったと思います。バブル経済期、バブル崩壊期、塩漬け土地の処分期等の時代、まわりがそれに応じた仕事を造り出してくれ、普通に仕事していればそれなりに食べられていたからです。
そんなぬるま湯の中にどっぷりと浸っていたのですから、新しい活動の分野を開拓するために不動産鑑定という仕事、またその仕事を通して社会に貢献できることを社会に対して積極的に発信してきたか、というと、残念ながらまったく出来ていなかったというのが現状です。ですから、今日のような状況になるのも当然と言えば当然のことです。
しかしながら、どんな時代でもやはり不動産という財は社会活動、経済活動に不可欠のものです。この不動産に対して様々な方面からの知識、経験が豊富な職業である不動産鑑定士に出来ることはまだまだあります。幸い、地元密着の事務所として様々なネットワーク、有力なビジネスパートナーにも恵まれていますから、当事務所が出来る仕事の幅は相当に広い、と確信しています。
今の厳しい環境を逆に発展のチャンスと捉えて頑張っていきます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。